その後棒針を使った編物が発案され、イスラム支配下のエジプトで広まって中世のヨーロッパに伝わっていったようです。エジプトのフォスタート(Fostat)で発掘された靴下はあきらかに棒針で編まれていて、編み込み模様はアラビア風な幾何学文やカリグラフィです。

フォスタートの靴下(12〜13世紀)

フォスタートの靴下(12〜13世紀)

スペインには9世紀頃にサラセン帝国からニットの技法が伝わり、11世紀にはイタリアへ、12世紀にはフランスへ伝わったようです。
13世紀にはパリにボネティエ(bonnetier)と呼ばれる帽子と手袋を編むギルドも出来ています。このギルドは16世紀の編物の靴下の大流行で急成長します。
遺品としては、イベリア半島ではフェルディナンド王子(13世紀)の墓から美しいクッションが出土しました。
そのクッションはシルク糸で、10cmに80目という細かい編目で編まれています。細いスチール製の針を使ったようです。
イタリアでは、14世紀頃に描かれた聖母マリアが編物をしている絵画がいくつか残っています。この頃には絵のように4本針で輪に編む方法があったということが想像できます。

13世紀のフェルディナンド王子のクッション 14世紀のニッティングマドンナ

13世紀のフェルディナンド王子のクッション

14世紀のニッティングマドンナ

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